投資・起業

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65歳、AIとネット販売 第三章

第三章:売れすぎて地獄 六月。梅雨空が続く中、正吉のネットショップは“嵐のような売上”に見舞われていた。
 そう、これは喜ばしい嵐――の、はずだった。「すげぇ……止まんねえ!」「売れた」「また売れた」「まだ売れた」 スマホに次々と届く「注文...
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65歳、AIとネット販売 第二章

第二章:初めての仕入れと初売上 それは、予想以上にあっけなかった。 人生初の出品から、わずか十数時間後に商品は売れた。
 正吉は高鳴る鼓動を抑えながら発送準備を行い、郵便局へ向かい、無事に手続きを済ませた。
 あのときの晴れやかな気持ちは、...
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65歳、AIとネット販売 第一章

第一章:チャットGPTって、何だ? 次の朝、斉藤正吉は珍しく朝六時に目を覚ました。
 特に理由があったわけではない。だが、目が覚めた瞬間、「今日は、なんかやるぞ」という気持ちが不思議と湧いていた。 台所に立ち、味噌汁と焼き鮭とご飯を用意する...
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65歳、AIとネット販売

プロローグ:ひとりになった春 三月の終わり。風の中にほんのりと春の匂いが混じる頃、斉藤正吉(さいとう・しょうきち)は縁側に座り、湯呑みに入れたぬるい緑茶をすすっていた。
 茨城県つくばの郊外、のどかな田園風景が広がる中に建つ平屋の我が家。正...
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60歳からの投資物語 第8章 静かな勝者

秋風が吹き始めた十月の朝。章一は、コーヒーを片手にリビングの窓から庭を眺めていた。「よく、ここまで来たな……」ぼそりとつぶやいた声が、静けさの中に溶けた。目の前の庭には、澄子が植えたコスモスが風に揺れている。四季の移ろいを感じられる、そんな...
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60歳からの投資物語 第7章 実りのとき

「まさか、株でお前に相談する日が来るとはなあ……」そう言って笑ったのは、高校の同級生・野田だった。退職後、地域のグラウンドゴルフで再会して以来、何かと顔を合わせるようになった間柄だ。「いやいや、オレもまだ素人だぞ。今でこそプラスにはなってき...
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60歳からの投資物語 第6章 暴落の向こう側

「日経平均、前日比マイナス1,200円超えです! 円安、インフレ、地政学リスクが一気に噴出——株式市場に冷や水!」テレビから流れるアナウンサーの声が、章一の胸にずしんと響いた。——こんな暴落、久しぶりだ。スマホの証券アプリには、真っ赤に染ま...
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60歳からの投資物語 第5章 ひと株のぬくもり

春の風が、少しずつ温度を取り戻していく。四月の初め、桜がほころび始めた頃、澄子はようやく本調子を取り戻しつつあった。「この前のスーパー、ちょっと遠かったけど楽しかったわね」退院後しばらくは外出も控えていたが、最近は章一とふたり、買い物に出か...
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60歳からの投資物語 第4章 予期せぬ波乱

年が明けた。静かな元日、章一は例年どおり近くの神社に初詣に出かけた。寒空の下、白い吐息が立ち上る参道を、背筋を伸ばして歩く。——「今年は昨年以上に、堅実に、着実に」そんな願いを込めて引いたおみくじは「小吉」。
“驕らず慎ましく歩めば、実りの...
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60歳からの投資物語 第3章 再起のポートフォリオ

朝の光がリビングに差し込む。木の床に映るブラインドの影が、まるでチャートグラフのように見えた。章一はコーヒーを口にしながら、ノートパソコンを開いた。お気に入りに登録された「IR BANK」「日経電子版」「Yahoo!ファイナンス」「Kabu...