【キャンドル】窓辺の灯りが揺れた夜と、ほんの少しの勇気

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― 炎のゆらぎが、言葉をそっと後押ししてくれた。

 

その夜、部屋の灯りは消してあった。
窓辺にひとつ、キャンドルが灯っているだけ。

その淡い光が、揺れる彼女の影を静かに照らしていた。

 

「なんだか、少しだけ話せそうな気がして……」

そう言って彼女は、キャンドルに視線を落とした。

 

——

 

ふたりが再会したのは、十数年ぶりだった。
若いころ、すれ違ったまま離れてしまった関係。
連絡先も変わり、年月も経って、もう一度会うことなんてないと思っていた。

それでも、偶然は思いがけない形でやってきた。

共通の知人の葬儀で再会し、その後、どちらともなく連絡を取り合うようになった。

 

ある晩、彼女の部屋に招かれた。
「たいしたものはないけど、お茶くらいなら」と。

テーブルには、ティーポットとカップ、そして火のついたキャンドルが一つ。

 

「停電でもないのに、どうしてキャンドルなんです?」

と聞くと、彼女は少しだけ笑って答えた。

「電気の明かりって、ちょっと強すぎるでしょう?
 このくらいの灯りの方が、気持ちに素直になれる気がして」

 

その言葉に、彼はふと胸が詰まるのを感じた。

 

——

 

カップの中のハーブティーから、やわらかい香りが立ち上る。
けれどふたりのあいだには、沈黙が流れていた。

それは気まずさではなく、何かを言い出せずにいる“待ち時間”のようだった。

 

彼が口を開いたのは、カップを置いたあとのこと。

 

「昔、あなたのことが好きだったんです。
 でも、言えなかった。たぶん、今でも、少しだけ」

 

その言葉が落ちたとき、キャンドルの炎が揺れた。
まるで、心の中の揺らぎと呼応するかのように。

 

彼女は、窓の外に視線を向けたまま、少しのあいだ黙っていた。

「……あのとき、言ってくれたら、きっと違ったと思う。
 でもね、今日、こうして聞けてよかった。だから……ありがとう」

 

彼は少し戸惑いながら、それでも微笑んだ。

そしてもう一度、キャンドルの灯りを見つめた。
たったひとつの炎が、この夜を、静かに変えていくようだった。

 

——

 

言葉にできない想いをそっと背中から押してくれるものがあるとすれば、
それは、こんな小さな灯りかもしれない。

キャンドルの炎が揺れた夜。
ふたりの間に流れた時間は、もう後悔ではなかった。

 

● 心をやわらかく照らす ― 静かな夜に使いたいキャンドル3選

日常の中に、ほんの少しの温かさを。
言葉を交わす時間や、自分と向き合う時間にぴったりのキャンドルをご紹介します。


①【アロマソイキャンドル(ラベンダー)】

  • 天然ソイワックス使用でやさしい香り
  • 静かな夜にぴったりのラベンダーの香り
  • 約20時間燃焼で、読書時間や語らいのひとときに


②【MARKS&WEB ハーバルキャンドル】

  • 精油100%使用の自然派キャンドル
  • 心を落ち着かせるティーツリー&レモングラスブレンド
  • グラス入りでインテリアにもマッチ


③【WoodWick(ウッドウィック)キャンドル】

  • 火を灯すと“パチパチ”と暖炉のような音が響く
  • 大人のくつろぎ時間にぴったり
  • リネン、バニラ、サンダルウッドなど選べる香りが豊富

● 小さな炎がくれたもの

照明ではなく、キャンドルを灯す理由。
それはただ部屋を明るくするためではなく、
心の中の「ことばにならないもの」にそっと寄り添ってくれるから。

 

この物語のように、ふたりの距離をそっと縮めてくれる
“静かな時間”の演出に、ぜひキャンドルを使ってみてください。