春一番が吹いた日、澄子さんはくしゃみを五回連続でした。
「……花粉、きてるわね」
その声は鼻声で、ティッシュを鼻にあてた姿が、なんだか可愛らしかった。
私は笑いながら、窓際のカーテンを少し閉めた。
やわらかな光がレース越しに差し込んで、ふたりの影を床に映し出していた。
「昔は、こんなにひどくなかったんだけどなぁ」
「歳と一緒にアレルギーも育つんだろ」
「なにそれ、新陳代謝と一緒に言わないでよ」
そう言って笑った彼女の顔も、目尻が少し赤かった。
澄子さんの部屋は、いつも風通しがいい。
少し古びたマンションだけど、四階の角部屋で、東と南に窓がある。
「風が抜けるって気持ちいいのよ」
そんな言葉を信じて、私は花粉の季節でもつい窓を開けてしまう。
もちろん、くしゃみは増えるけれど。
「最近は空気清浄機が手放せないのよ」
彼女はそう言って、リモコンで床に置いた白い機械を指差した。
「音も静かだし、花粉と臭いもけっこう取ってくれる。
部屋の空気がまるくなる感じ、ってわかる?」
「うん。言いたいことはなんとなく」
彼女は、風の匂いが好きだ。
だから、春でも夏でも、窓を開ける。
レースのカーテンがふわりと揺れるのを見るのが、落ち着くのだと言っていた。
「昔、母が言ってたの。『春の風は人を変える』って」
「ほう、詩人だね」
「うん。でも、春になると、なぜか別れ話が増えるのよ。友だちも恋人も。
あったかくなると、人は心の窓も開けちゃうのかしら」
私は「それ、名言だね」と言いながら、ティーカップを置いた。
花粉のせいか、澄子さんの目が少し潤んでいた。
けれどそれが、話のせいなのか、季節のせいなのか、わからなかった。
「じゃあ、君の心の窓は、いま開いてる?」
そう尋ねると、彼女は鼻をすする音と一緒に、ふっと笑った。
「…開けたけど、風はまだ、入ってきてないみたい」
「じゃあ、ドアも開けてみたら?」
「うーん。…そのうち、ね」
午後の光がカーテン越しにやさしく差し込む。
空気清浄機の静かな音が、微かに部屋に流れていた。
カーテンが揺れた瞬間、
彼女の髪の毛が、ふわりと浮かび、すぐにまた落ち着いた。
その一瞬だけ、時間が止まったようだった。
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