『秋、ふたりで歩く道』最終章:風の音、ふたりの道

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 旅の最終日。
 宿の朝食を終えると、ふたりはゆっくりと川沿いの道を歩いた。空気は一段と冷たく、紅葉も少しずつ葉を落としていた。風が吹くたび、カサリと乾いた音がする。

「この音、好きなんです。さびしいのに、どこか優しい」
 真理子が言った。

「風の音って、いつも誰かの声に似ていると思います。……ときどき、妻の声に聞こえることも」

「……わかる気がします」

 ふたりは言葉少なに歩いた。けれどその静けさが、どこか心地よかった。

 小さな神社の前で足を止めると、誠が絵馬に何かを書き始めた。真理子も、その隣で筆を取った。
 それぞれの願いが、楓の葉のような小さな木札に乗せられて、鈴の音とともに風に揺れた。

 帰りの電車までにはまだ時間があったので、ふたりは駅近くのカフェに入った。窓際の席に座り、静かな時間が流れた。

「明日から、また普通の日常が始まりますね」
 真理子がぽつりとつぶやいた。

「そうですね。……でも、普通の中にも、たまにこうして“非日常”を紛れ込ませられたら、人生は豊かになるのかもしれません」

 誠は、そう言って微笑んだ。

「もしよかったら、またどこかへ一緒に行きませんか。紅葉じゃなくても、春の桜でも、夏の海でも」

「……はい。きっと、行きたくなる気がします。あなたとなら」

 その言葉を最後に、ふたりはまた、しばらく黙った。

 しかし沈黙は、もう不安を伴うものではなかった。言葉で埋めなくても、そこに確かな“絆”のようなものが芽生えていた。

 駅に向かう道すがら、真理子がふと立ち止まった。

「今まで、“これでいい”と思うようにして生きてきました。でも、この旅で、初めて“これがいい”と思える時間に出会えました」

 誠は、彼女の目をまっすぐ見た。そして、静かに言った。

「それは、きっと、ここから続いていくものですよ。……この先も、一緒に見ていきましょうか」

 秋の風がふたりの間をやさしく吹き抜け、落ち葉が一枚、足元に舞い落ちた。

 紅葉の季節が終わっても――
 ふたりの道は、これからも、続いていく。


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