最終章「冬の陽だまりと、ふたりの行方」
冬の図書館は、思いのほか陽が差していた。
風は冷たいが、ガラス越しに届く光はやわらかく、窓辺の読書席にはぽかぽかとしたぬくもりが溜まっていた。
久美子は、その席で健一を待っていた。
今日は、ふたりで出かける約束をしていたのだ。
向かう先は、駅前の小さなカフェ。ふたりでゆっくり話せる場所がいい、という久美子の提案だった。
時間ちょうどに、玄関のドアが開く音がした。
振り向くと、健一が新しいコートを着て立っていた。
「……どうですか? 似合ってます?」
「ええ、よくお似合いです。……まるで誰かに会いに行く人みたいに」
「実は……今日は、そうなんです」
健一は、手に紙袋を持っていた。中には、花柄の小さな箱。
「これ、久美子さんに」
久美子が開けると、中には手袋が一双。グレーと薄紫の落ち着いた色合いで、手首には小さな刺繍があしらわれていた。
「……これは?」
「あなたがマフラーをくれた日から、何かお返しをしたかった。でも“お返し”じゃなくて、“これから”にふさわしいものを、と考えていたんです」
久美子は、静かに手袋をはめてみた。サイズはぴったりだった。
「健一さん……ありがとうございます。大切にします」
カフェの帰り道、ふたりは雪の残る並木道をゆっくり歩いた。
話す内容は取りとめのないことばかり。でも、沈黙の時間さえ心地よかった。
道端に積もった雪が、光を受けてきらりと光った。
「……この冬が終わっても、また次の季節を、こうして迎えられるでしょうか」
久美子のつぶやきに、健一は迷わず答えた。
「はい。迎えましょう、一緒に」
ふたりの足音は、まだ冷たい道に、重なりながら消えていった。
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