― 投資ではなく、まずは“減らさない”ことから。
「投資で増やすより、減らさないことが大切」
そんな言葉を、最近よく耳にするようになりました。
かつては「株で増やす」「不動産で収益を得る」といった“攻め”の資産運用が注目されましたが、いま、シニア世代の間では“守り”の資産形成が見直されています。
それはなぜなのか。そして何から始めればいいのか——。
この記事では、**「老後資金を減らさないための基本」**をわかりやすくご紹介します。
■ なぜ「守る」が重要なのか?
老後においては、収入より支出が多くなる時期が続きます。
特に60代以降になると、
- 年金+αの副収入があっても大きく増えない
- 医療費や介護費など“想定外の支出”が増える
- 投資のリスク許容度が低くなる
といった事情から、**「増やす」よりも「減らさない」**という視点が大切になります。
たとえば、「5万円増える投資」より「5万円損しない対策」のほうが確実で効果的なこともあるのです。
■ 資産防衛の基本3ステップ
1. 「見える化」で無駄な支出を知る
まずは、ご自身の生活費と支出の内訳を可視化することから。
- 家計簿アプリ(初心者向け:マネーフォワードME、Zaimなど)
- ノートでもOK。固定費・変動費を分けて記録
意外な「毎月かかっていたけど不要だったもの」が見つかることもあります。
2. 「固定費」を減らす=継続的な守り
毎月の支出で最も見直しやすいのは固定費。
- スマホ料金(シニア向けプランに変更)
- 保険(保障が重複していないか確認)
- サブスク(使っていない動画やアプリ)
1つひとつは小さくても、年間で見ると数万円の節約になることも。
3. “元本保証”に近い選択肢を知る
「投資をしたいが、減らすのは怖い」方におすすめなのが、低リスク商品や預金型の積立です。
- 個人向け国債(変動金利型/元本保証)
- 定期預金(ネット銀行なら0.2%以上の金利も)
- 積立型の共済・財形貯蓄制度
「増やすより守る」を意識した商品設計がされており、銀行に預けっぱなしより利回りが高いことも。
■ 「守り」を支える心構え
資産を守るうえで大切なのは、焦らず、続けることです。
流行りの投資話に飛びつくよりも、自分の生活スタイルと心地よい距離感で、お金と向き合うことが、長期的な安心につながります。
また、信頼できる相談相手を持つことも大切です。
自治体の「消費生活センター」や「金融庁の相談窓口」など、中立的なアドバイザーの力を借りるのも一案です。
■ まとめ:「増やす」よりも「守る」から始めよう
老後の資金対策は、何かを始めるより先に、
「減らさないようにする」ことが何より大切です。
- 支出の見直し
- 固定費の整理
- 安全性の高い金融商品の活用
これらを少しずつ実践することで、“お金の不安”は“生活の安心”に変わっていきます。
人生の午後を、より穏やかに過ごすために。
まずは、家計簿を開くことから、はじめてみませんか?
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